真鍋淑郎氏ノーベル賞受賞
作成者:Web Master 作成日:水, 10/06/2021 - 06:10
ノーベル物理学賞を、真鍋淑郎(しゅくろう)氏が受賞したことは、日本人として誇りに思いますが、日本国籍から米国籍になっているということは、日本の研究体制の脆弱さが政治課題であることを痛感します。
「日本に戻らないのは、周囲に同調して生きる能力がないからです」(真鍋淑郎)
「好奇心に基づく研究が減っている」(真鍋淑郎)
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<報道記事抜粋>
〇スウェーデン王立科学アカデミーは5日、2021年のノーベル物理学賞を、真鍋淑郎(しゅくろう)・米プリンストン大上席気象研究員(90)=米国籍=と、ドイツとイタリアの研究者の3氏に授与すると発表した。真鍋氏は、物理法則に基づいてコンピューターを用いて地球の気候を再現する「気候モデル」という手法を1960年代に確立。地球温暖化予測の基礎を築き、気候変動対策に貢献したことが評価された。 受賞が決まったのは、真鍋氏と、ドイツのマックスプランク気象学研究所のクラウス・ハッセルマン教授(89)、ローマ・サピエンツァ大のジョルジョ・パリージ教授(73)。真鍋氏とハッセルマン氏は、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の濃度上昇に伴う地球の気温上昇と天候に関するモデルや理論を作った。パリージ氏は、物質の循環と気温の上昇の複雑系を分析するための手法を確立した。(毎日新聞)
〇真鍋氏は1958年、米気象局(当時)の研究員として渡米。67年に高速コンピューターを使い、大気の運動と気温との関係を定めるモデルを開発し、「CO2が2倍に増えると地上気温が2・36度上昇する」との予測を明らかにした。(讀賣新聞オンラインより抜粋)
〇ノーベル賞の選考委員会は真鍋氏が「大気中のCO2濃度の上昇が地表の温度上昇につながることを実証した」とした。太陽から地表面が受け取るエネルギーと宇宙に逃げていくエネルギーの差し引き「放射収支」と大気の動きとの関係を世界で初めて解明し、「気候モデルの開発の基礎となった」と評した。 1989年、大気中の二酸化炭素濃度が上昇すると、全球的な気温上昇を引き起こすことを気候モデルで示した世界初の論文を発表。これをきっかけに、世界中で温暖化研究が活発化し、各国で二酸化炭素排出量の削減への取り組みが始まった。 「もっと今の人たちも外国に出ていってほしい。うまくいかなくても英語くらいは上手になって帰ってくる。違ったものの考え方も吸収できる。研究で一番大切なのは、多様性です」 (産経新聞より抜粋)
〇真鍋さんは受賞前、「最近は干ばつや洪水が増えている。私たちがモデルを示した1980年代当時は疑問に思う人もいたが、現実になりつつあることで、疑いないことだと分かるようになった」と話していた。 「(治水などで)気候変動に適応することと、(温室効果ガス排出を抑えて)気候変動を小さくすること。その二つのバランスをどうとるかが大事な問題だと思う。いろんな選択があるんですよね。国全体として何をするか、気候学者だけじゃなくエネルギー、水の問題をやっている人の意見を総合して、国の行動を決めると。それを考えるべきではないですかね」 (朝日新聞 DIGITAL より抜粋)
▼大気・海洋結合モデル(日経新聞より抜粋)
空気や水の流れにより温度などが変化する様子を、大気と海洋を一体化して予測する計算モデル。上空まで含んだ地球全体を、細かく区切って計算することで、将来の各地の気象状況などを見通すことができる。大気中に含まれる二酸化炭素などの温暖化ガスによる気候への影響も調べられる。 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が地球温暖化をシミュレーションする際に利用された。将来の水不足の問題なども指摘した。天気予報でも、1カ月を超える予報ではエルニーニョ現象やラニーニャ現象のような海洋の変動から考慮する必要があり、大気の変動と合わせた計算モデルを使っている。
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