2024/11 平成の政治改革と政党法の必要性

裏金問題・補正予算については、野党の政策を丸呑みし、即辞職するのが石破内閣の役割である。反安倍・リベラルの石破内閣ではトランプ大統領と良好な関係を構築することは全く期待できない。これは、政治素人でも明らかである。

裏金問題は自民党だけではなく政治への信頼も失わせた。解散前、石破総裁は「裏金問題について十分な議論をする」と公言しながら、嘘をつき即解散した。また選挙期間中、2000万円補助という国民の感情無視の対応をし、選挙では大敗退をし、総裁個人の信頼も失った。
裏金問題については、野党の政策を丸呑みしなければ、自民党は国民の信頼を回復できない。石破総裁個人の信頼回復は、その後、即辞職することである。自民党の自浄作用という観点から言えば、自民党の選挙敗北は「お詫び」という言葉で済む問題ではないのである。
石破総裁辞任後、自民党は、リベラルではなく、保守派のトランプ対応内閣を構築し、日本経済と防衛力の向上に努めるべきであろう。その姿を国民に示すことこそ、自民党の信頼回復への道である。

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衆議院の中選挙区制を廃止し、政治家個人に対する献金規制を強め、代わりに政党助成制度を導入したのが「平成の政治改革」だった。従前の候補者本位の政治を政党・政策本位の政治に改めようとするものであった。選挙制度改革以降は、投票時に候補者個人に重きを置く人より、政党を重視する人が増えている。また、中選挙区制に比べ金がかからなくなった。そして公認権や政党助成金の配分権を持つ執行部の影響力が、献金を受けにくくなった派閥の権力より強くなった。
他方、パーティ券売り上げの一部が少なからぬ議員に還流又は留保され、それが政治資金収支報告書に記載されなかった、すなわち「裏金」として処理された裏金問題に象徴されるように、政党ガバナンスがなっていないことが露見した。従って、政党法制定を求める声が強まりつつある。

<學子会会報(東京大学公共政策大学院教授 谷口将紀)より引用>