2024/10 国連の男系天皇に対する改正要求について

国連は、左翼思想であり、グローバリズムである。世界を一つの思想で統一しようとしている。男系男子による皇位継承を定めている皇室典範の改正を求めた国連女子差別撤廃委員会の勧告は、多様性を認めるという左翼思想と矛盾する考えである。多様性を認めるのであれば、日本の2000年も続く伝統に文句を言えるはずがない。しかも万一、多様性よりも男女差別を重視するという考えを主張するならば、日本と同時に、バチカン市国のローマ法王庁(教皇庁)における男系法王(教皇)継承にも改正要求をすべきである。これをしないのは、国連の人種差別あるいは宗教差別と揶揄されても仕方あるまい。

林官房長官の遺憾声明は、「皇位継承のあり方は国家の基本に関わる事項だ。皇位につく資格は基本的人権に含まれていない。」というものだった。しかし、日本政府は、上記のように、自国の憲法を論拠にするのではなく、より国際的な思想という観点から、国連の勧告に対応すべきである。国際的には、憲法よりも条約における考えが優先されるからである。

男女差別の問題として日本伝統の「相撲」の例がある。日本の歴史上、女性が相撲に参加できないことに対する抗議の事例は1件もない。国連は「相撲」についても男女差別改正要求したとしたら、世界の笑い者となろう。同様に、男系天皇の継承についても、戦前までは、全く問題がなかった。現在、日本で問題になっているのは、GHQの宮家撤廃によって男系天皇の存続が難しくなっていることである。2000年も続く世界に類例のない男系天皇の歴史は、GHQや国連あるいは共産主義・グローバリズムなどの指導者にとっては脅威であるに違いない。現代の思想にいくら人気があるとしても、2000年の歴史を超えることはできないからである。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教・仏教・儒教など多くの宗教や思想も、「日本の神道」と同様、長い歴史を持っている。日本の男系天皇の継承は、2000年の日本人の歴史の検証を得ている日本の誇るべき伝統であり、近代のいかなる思想も歴史の洗礼を受けていないという点で普遍性を欠くのである。

かかる誇るべき男系天皇継承という日本の伝統に対し、女系天皇容認論を唱える日本の政治家が多いのは、残念なことである。宮家を復活させれば、簡単に、戦前の「男系天皇継承」に問題のない状況を得られる。

また相撲や男系天皇継承については、男女差別ではなく、「男女の区別」あるいは「男女の役割分担」と考えていただきたい。なぜなら、人種差別による弊害と比べ、相撲や男系天皇継承によって、日本で女性が不利益や迫害を受けたという問題は歴史的にないからである。

マーケティングには差別化理論がある。日本と世界の差別化戦略は、日本の経済発展上重要である。万一、英国などヨーロッパの王朝に追随して、女系天皇を容認すれば、日本は、世界からヨーロッパの王朝と同様と見られることになる。これは経済価値から言えば、「格落ち」である。唯一無二の2000年の天皇制の伝統から、数百年しか歴史のない王制の伝統に落ち込むからである。インバウンドでも日本の製品についても、更に思想においても、「万世一系の天皇」は、「世界に誇るべきブランド価値の背後にある礎」なのである。この伝統を失うことは、将来日本が国力を失うことと同義である。

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国連委の皇室典範改正勧告、日本政府が強く抗議し削除申し入れ…林官房長官「大変遺憾だ」

(林官房長官は30日の記者会見で、男系男子による皇位継承を定めている皇室典範の改正を求めた国連女子差別撤廃委員会の勧告について、「皇位継承のあり方は国家の基本に関わる事項だ。皇位につく資格は基本的人権に含まれていない。」と主張し、委員会側に強く抗議した上で記述の削除を申し入れたことを明らかにした。(2024年10月)