トランプ氏が、米国47代大統領に決まりました。彼は、安倍首相に、内政の相談をするほど、安倍首相とは大親友であり、反リベラル(反LGBT)、反中、減税派、自国中心主義(反NATO)です。一方、石破首相は、反安倍を標榜するリベラル派、親中、増税派、親NATOです。トランプ大統領と石破首相は、相性が悪すぎます。従って、石破首相が、良好な日米関係を築くことは絶望的でしょう。言葉だけの同調は、激情派の大統領には通じません。
国民が、石破首相に期待する責務は、石破氏が国民に約束した通り、野党と十分議論した上で、裏金問題に国民の納得できる決着をつけることだけでしょう。
その後は、安倍首相の政策の継承者で、国民的人気の高い高市早苗氏に総裁を引き受けてもらうべきと思います。かくて、自民党に対する国民の負のイメージを払拭し、経済成長と日米同盟の強化のため、総裁を替えれば、自民党の柔軟性を国民に示すことができます。これを来年1月の大統領就任式までに実行することが、自民党復活への唯一の道筋です。
日本の旗幟を鮮明にした上で、日米同盟の強化に臨むことこそ、反日国に対する防衛力を強化し、戦争を回避する道です。日本一国よりも、軍事最強国米国と、手を組むことが、日本の防衛力を強化する最善の方法であること、つまり個別自衛権よりも、集団的自衛権の方が防衛力強化につながること、そして防衛力強化が平和への道であることを十分に国民に伝える必要があります。その上で、高市早苗氏は、憲法改正を訴えて、左派野党との決着をつけるべく、解散すべきです。トランプ大統領の治世でなければ憲法改正のチャンスはありません。
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安全保障関連法では、在外邦人等の保護措置を自衛隊の部隊等が実施できるようになった。武器を使って守ることができる対象を、自己の管理下に入った者の生命、身体の防護に拡大。
米国連邦議会の上下両院合同会議での演説「希望の同盟」
第二次内閣以降、安倍首相が会談したのは、バラク・オバマ(任期2009/1~2017/01)とドナルド・トランプ(2017/1~2021/01)、オバマとは仕事の話しかしなかった。トランプは、ビジネス界での成功体験の手法を、国際政治にも持ち込もうとした。米中の問題は貿易バランス、米ロは安全保障というふうに、2国間で物事を考えていました。トランプには、北大西洋条約機構(NATO)や日本も協力するから、自由世界のリーダーとして振舞ってほしいと説いてきた。米国の国家安全保障会議(NSC)の面々と私は同じ考えだった。トランプとは、お互いが同じ場所に行ったら、とにかく会おうという話をよくしていた。
海外の首脳と親しくなると、内政の相談を受けることもあります。トランプやアボットがそうでした。
ロシアのウラジミール・プーチン大統領と27回会談。プーチンはクールな感じに見えるけど、以外に気さく。プーチンの理想は、ロシア帝国の復活。2018年11日歯舞・色丹両島の返還を明記した1956年の日ソ共同宣言を交渉の基礎にするという方針を決めた。
中国は、2010年に世界第2位の経済大国になって以降、より強硬姿勢となり、南シナ海を軍事拠点化し、香港市民から自由も奪った。そして次は台湾を狙っている。習近平は、強烈なリアリスト。中国の指導者と打ち解けて話すのは私には無理。
ドイツのメルケル首相は、中国重視。
英国のキャメロン、メイ、ジョンソンの3首相と付き合った。メイ首相には好印象。2012年1月、物品役務相互提供協定(ACSA)。米国・豪州に次いで3か国目。
フランスのオランドとマクロン、両大統領。オランドは事実婚のパートナーと来日。ファーストレディとして遇する。アベノミックス絶好調の時期に訪仏は、歓迎される。マクロンは、「自由で開かれたインド太平洋」構想にも協力を表明。
欧州理事会、欧州委員会の要人と会合。EUの域内ルールが出来上がってしまえば、それは必ず世界ルールになってゆく。気候変動やエネルギー問題で世界をリードしているのは欧州。
豪州のジョン・ハワード首相、アボット首相と親交。2007年安全保障協力に関する日豪共同宣言。2013年、物品役務相互提供協定(ACSA)発効。武器・弾薬の提供も可能。安全保守関連法に基づいて、豪州の艦艇防護も可能。ターンブル首相とはTPPの発効で協力できた。スコット・モリソン首相は、「私の外交アドバイザーは安倍総理だ」と言っていた。「自由で開かれたインド太平洋構想」では、共感、ただ捕鯨問題では対立。
フィリピンのドゥテルテ大統領。平和的手段による麻薬撲滅の支援という名目で、麻薬中毒患者の更生などの援助。「私の祖父が日米安保条約のの基礎を築いたのは国益を考えたからだ」と言った話にすごく喜んだ。
台湾の李登輝総統の話には圧倒された。「台湾を守り抜く、国際社会の孤児で終わらせない、日本と台湾、台湾と米国の関係を強化して、国際社会で認めさせる」という強い信念を持っていた。「国のために散った多くの人が靖国に祀られている。そこに指導者が行くのは当然のこと」と叱咤された。
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<「安倍信三回顧録」(橋本五郎・尾山 宏・北村 滋著)より引用>